はじめてのREIT
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REIT(リート)=不動産投資信託
このくらいはなんとなくわかりますでしょうか?
投資家から集めたお金を原資に、
銀行借り入れを用いてレバレッジをかけて
タワーマンション、オフィス、店舗、ホテルなど不動産投資を行い、
そこから得られる物件の賃料収入や、
最終的な売買からの売却益を投資家に分配する仕組みです。
あくまで上場投資信託で、現物の不動産投資とは違います。
なので不動産投資をされている方の既存の知識は
あまり役に立ちません。宅建の知識は不要です。
これがけっこう難解なんです。複雑なんです。
ここでは全体像の説明をいたします。
<J-REITの羅針盤>
J-REITは、現物不動産より日経平均株価に連動してますので、
不動産というより株と考えた方が適切です。
今回のコロナショックでもそれが顕著にあらわれました。
コロナの影響でも現物の不動産価格はあまり変わっていませんが、
J-REITは何と短期で半値まで売られました。

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日本のREIT
3481 三菱地所物流リート投資法人
3471 三井不動産ロジスティクスパーク投資法人
3462 野村不動産マスターファンド投資法人
3287 星野リゾート・リート投資法人
日本のREIT-ETF
1343 NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信
2555 東証REIT ETF
1476 iシェアーズ・コア Jリート ETF
<海外REIT>
アジアREIT・リサーチ・オープン(年2回決算)
三井住友・DC外国リートインデックスファンド
フィデリティ・USリート・ファンドB
eMAXIS 先進国リートインデックス
日本で販売されている海外REITの高配当利回りに注意してください。
分配金を再投資せず、「タコ配」と呼ばれるご自身が出資した
出資金の元本が取り崩されて償還することで名目上の高利回りを
実現しているケースも散見されます。
また、購入手数料と信託報酬を合わせて5%近くに達する
高額なものもありますので、ご注意願います。
そこで手数料が割安な海外のREIT-ETFも視野に入れてみる価値があります。SBI証券の外国株サイトから購入できます。
<米国REIT-ETF>
iシェアーズ 米国不動産 ETF (IYR)
分配利回り 3.43 %
SPDR ダウ ジョーンズ REIT ETF (RWR)
分配利回り 4.35%
事前に日本円を米ドルに両替してドル建てで外国株として買います。(外貨決済)*SBIは夜間15分遅れでリアルタイム売買
事前に両替しなくても円貨決済で証券会社経由で
ドルへ両替してダイレクトに買付もできます。
最終売却前にドル/円ベースの損益を見比べ、
売却時も外貨決済と円貨決済が選べます。
<直近の日米のREIT>
日本、米国ともにREITはコロナショックの打撃で急落しており、
価格は半値戻しがやっとの状況で市場平均よりも戻りが鈍いです。
これを出遅れた分、上昇余地があるとみて安値で買うか、
この先、不動産市況の低迷を示唆しているとみるか難しいところです。
今REITはどのジャンルも壊滅的な打撃を食らっています。
去年から保有している方は大変な状況だろうと推察します。
これだけ値が崩れると、利回りどころじゃないです。
その他、基本事項は以下の初めてのJリートやREIT教室を参考にしてください。

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その他、投資判断における重要なキーワードを3つ解説します。
①LTV(借入比率)とは
総資産に対する金融機関からの借り入れ比率です。
低金利下においては借入額(レバレッッジ)が大きいほど、
投資家への分配金は大きくなりますが、
Jリートでは借入額は最大50%までに規制されています。

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というのも、LTVが高いと借入金多ければ金融情勢が悪化したたり、
金利上昇時に債務超過に陥り返済を迫られる恐れがあるため、
適正な借り入れで健全な財務状況を保つよう設計されています。
②NAVとは
NAVは企業解散価値(資産売却後の借入金を清算して最終的に手元に残るお金)のことで、例えば、10億のビルで借金が6億ならNAVは4億です。
*NAVはNet Aseet Valueの略で正味純資産価格のこと。
NAV倍率は企業解散価値を発行済投資口数で除したもの(1口当たりの解散価値)で、株の指標のPBRと同義で、1倍以上だと割高と判断され1倍未満だと割安と判断されます。

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REITはあくまで不動産投資(ミドルリスク・ミドルリターン)で、
ハイテク株の様に将来を見越して極端に買い進まれることはないので、
NAV倍率が2倍、3倍となるのはまずないです。
③分配金利回りとは
投資口価格(株価)に対する投資家が最終的に受け取る分配金の利回りのことです。
年間の予想分配金(1口あたり)÷投資額(1口あたり)=分配金利回り

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総じて高い利回りは、アベノミクスの低金利で不動産投資に有利な政策や、多数の不動産に分散投資を行うことで、リスク分散効果で分配金が安定的に支払われる背景もありますが、J-REIT(リート)は当期利益の90%超を投資家に分配することを条件に税金が免除されており、法人税がかからず全て分配金に回すことが利回りが高い大きな要因です。
1株当たり分配金が変わらない状態でREIT価格が下落しても
結果としては分配金利回りは上昇するのでその点はご注意ください。
また、当期利益を超える分配金を一定期間出すことが
可能な会計上の仕組みもあるので、
分配金の額を鵜呑みにしない様に気を付けて下さい。